デジタルマーケティングと不動産業界

デジタルマーケティングとwebマーケティングと区別がついてない方は少なくない(苦笑)

検索すればすぐにわかることだけど、一言でいうとwebサイトを軸に展開するのwebマーケティング。 デジタルマーケティングはその上位概念。 ビジネス環境全体の情報戦略をグランドデザインするところから始まる。言葉の定義以上に重要なことは、市場のお客様とどのようなコミュニケーションを築き、育てるか、その目的と課題点を明確にしておきたいものである。

デジタルマーケティング と不動産

不動産企業の経営者が認識しておくべき時代の変化

不動産流通の基本的なマーケティングモデルは商品やサービスなどの情報をチラシやDM、ポータルサイト、マスメディアなどの広告手段をつかってプッシュし「追いかける」スタイル。 大手不動産流通企業においては、加えて親会社/系列会社からの紹介案件(他力本願)も幅をきかせている(それに依存しているとも言い換えれる)。

生活者の情報量や検索のリテラシーが低かった時代には、「追いかける」手法だけで十分成果が期待できた。しかし、ネットが一般消費者の生活に浸透し、SNS化も進んでくると生活者の情報リテラシーは急速に向上してきており、情報(コンテンツ)の質を軸とした行動に変化しはじめている。デジタル化時代への変化が不動産分野にも顕著に現れてきている。 企業経営者がこの「時代の変化」に気がついていなければ致命的だ。デジタル化時代に向けた情報戦略を策定し、具体的な行動をおこしているかどうかが、その企業の未来を左右するという認識は持っていてほしい。自社の商品やサービスに関する良い評価も悪評もオンライン上で想定外のスピードで拡散され、浸透していく時代に突入しているのです。

情報リテラシーの低いウエブ担当者が機会損失を増幅させている

「消費者の理解や共感を得れないものは売れない」。マスメディア時代、そしてインターネットメディア(グーグルやヤフー)時代になっても「追いかけたら、売れる」時代は続いてきた。しかし、2017年前半から、「追いかけたら、売れる」その時代はそろそろ終わりつつあるということを敏感に感じ取っていますか? 多くのユーザは「企業から追いかけられることにウンザリしている」ことも確実に増えている。「図々しい、なれなれしい情報提供」そのスタイルは淘汰されつつあるということです。 すでに多くのDMやチラシも開封されることもなく、ゴミ箱に直行しているのが現実ですよね? メールもリターゲティング広告も同様。デジタルなゴミ箱へ直行である。

目的を見失ってないか?

調子の悪いウエブ担当者は、デジタル化時代となった現在でも膨大な広告費を(広告代理店に)丸投げ状態。僅かな成果に投機的な費用をかけているのである。

何のために広告宣伝しているのでしょうか? ウエブプロモーションの目的は明確でしょうか? 反響の数を集めるだけにとどまっていないでしょうか? 質のよい反響を集めているだけで十分と思っていませんか? その目的のためだけに、大枚を叩き、自社の顧客となる消費者の大半にウンザリするほど情報を撒き散らしていませんか? 不快なネット広告に延々と追いかけられる消費者の気持ちを理解していますか?  不快なノイズを発信していませんか? 不快なノイズは度を超えると迷惑となります。そして自社のブランドを毀損していくことになっている。それに気がついていますか? 多くのネット広告代理店は表示回数、反響数など量を増幅させていくことで売上げが上がります。「貴社の認知度が上がってきています」というアクセス解析レポート付き報告だけで満足していませんか?

近年、検索結果(SEO)もかなり荒れている。アフィリエイターやキュレーションメディアなど広告インセンティブ(お小遣い)を狙った者たちに荒らされて、まともな情報が埋もれてつつあるのも現実である。

ネット上で露出度が高いのは、度を超えると迷惑や不快感を与えている企業として認知され、折角の顧客獲得の機会を失っている可能性に気がついてない(情報感度の低い)企業が8割です(苦笑)

不動産テック

 

「追いかける」の逆流

前述した様に、今後2、3年の間に企業が生活者を追いかける情報時代は終息に向かう。すでに生活者が本物のコンテンツを「追いかける」という現象(逆流)がはじまっており、今後、急速に拡大していく。 ロジスティックスに依存しない商品やサービスから順次切り替わっていく。

参考までに2017年12月に更新されたモズスケープ・ウェブ・インデックスによると、

  • 1位 Facebook.com(米国)1442.3万件
  • 2位 Twitter.com(米国)1021.0万件
  • 3位 Google.com(米国)843.9万件
  • 4位 Youtube.com(米国)531.4万件
  • 5位 Linkedin.com(米国)359.5万件

すでにソーシャルメディアが上位を占めはじめている。直接、間接、問わず人と人とのコミュニケーションや自己表現を通したアクセスがネット支配し始める現象がはじまっていることを現すデータである。

この様なネットと生活者のかかわり状況の変化は、今後のビジネスモデルは顧客視点のコミュニケーションが基本なる。企業における市場開発(マーケティング)は、生活者との接点を軸とした事業構造のデジタルシフトを加速させることが基本戦略となる。 具体的には、生活者に現実的かつ有益なコンテンツを提供し、消費者の理解、共感を醸成しながら市場開発をすすめることが求められるということである。 インバンウンドな視点のデジタルマーケティングの導入が重要な経営戦略の一角を占めることとなる。

不動産流通業界では

不動産流通業界のデジタル化は、他業種と比べるとかなり遅れているのが現状である。戦後、不動産業界の構造としては、不動産開発会社が不動産市場の主導権を持ち、中古流通はスクラッチ&ビルドのビジネスモデルの後を追従する形であった。バブル崩壊し成長のない経済社会が四半世紀続き、ここ数年は中古不動産の流通が本格化しはじめてきている。

ただ、未だに莫大なチラシ広告を続けいる事実が示す様に、旧態依然な体質で、今も「追いかける」モデルを突き進んでいる。しかし、この業界にもデジタルシフトの波が押し寄せて来ているのも間近。2015年頃から不動産テックが注目されるようになり、昨年くらいから徐々に取り組みが始まっているが、現時点では実験やってますよー的な者が多く、実用に耐えうるものは数少ない。 不動産テックの定義についてはこちらを参照ください。

不動産流通業界でも、デジタルマーケティング導入の流れは確実に始まっている。

しかしながら、国内の市場で流通する不動産取引情報データベース(レインズ)は業界クローズドで一般の消費者は閲覧することはできない。 一般個人の不動産所有者(売主や貸主)は不動産会社と契約して始めて登録できるが、契約した不動産会社の裁量(不利益とならない都合)で取引機会がコントロールされる。不動産仲介業界のグレーな部分を象徴する現実である。業界の弁では、個人情報等の安全性かつ公正な取引担保の為、むやみに一般開放できないと理由を色々とあげているが、世界的にも日本の不動産市場、取引実態の透明性の低さは問題視されており、生活者の利便性に高めるために一般解放されるのは時間の問題と筆者は思っている。

不動産テックが進化し、不動産流通分野でブロックチェーンなどの技術導入が進んでいけば、この問題は自然と消えていく。その過程で新しいプレイヤーが不動産流通市場を活性化させていくと思われる。硬直している不動産流通が活性化することは、バブル崩壊後、低迷が続く日本経済の将来に大きな経済成長をもたらすことにつながる。ライフステージにあわせた柔軟な住み替えが可能となり、それにより住宅需要も増加し、さらに住まいに関連市場も同時に拡大していく。