不動産テックとデジタルマーケティング

はじめに

日本人の人口は毎年30万人減少し、平均寿命は男性80歳・女性87歳と高齢化と少子化で不動産需要は減少傾向。国内経済もデフレ脱却も目処が立っておらず今後も低成長時代が続くと言われています。その低成長時代を見据えた持続性のある経営戦略は不動産企業経営にも不可欠なものとなってきます。 その経営戦略の一翼を担うのが不動産情報の流通への新たな取り組みです。不動産業界でもデジタル化は急速に進行しており、それによって不動産事業活動にも新たな需要や役割が求められています。人々のライフスタイルの変化に柔軟に対応するための情報化戦略を推進なくして、勝ち組として生き残ることはできないと言っても過言ではありません。不動産情報環境を創造するテクノロジー(不動産テック)は急速に進化しています。同時に市場開発としてデジタルマーケティング への積極的な取組みも始まっています。当サイトでは、不動産情報環境をデザインする上で必要となる技術、顧客接点とコミュニケーション戦略策定に役に立つ情報を発信していく予定です。

不動産ビジネスの前提が変わる

情報格差がなくなる

デザイン

インターネットの浸透で消費者は不動産取引に関する多くの情報を直接収集できるようになってきています。今後も消費者主義は進行し、消費者が直接得れる情報の質、量ともに増加することに拍車がかかることは間違いありません。不動産流通企業においても、これまで消費者がアクセスできない情報の壁があるのをよいことに取引案件の囲い込みなど作為的な情報操作によるプロフィットプールを図る営業活動していた企業が自然に淘汰される流れが確実に強まっていきます。大手不動産会社であっても例外ではなく、消費者の利益を損なう恣意的な仲介営業を続ける企業にその未来はありません。今後も、専門家や企業しかアクセスできなかった情報が開放されていく傾向は強まり、検索機能が高度化すればするほど消費者と専門家の情報格差はなくなっていきます。

ビジネスモデルの進化

不動産仲介とは、不動産を売却する消費者と購入する消費者という利益相反な両者をマッチングさせる触媒的な機能を提供して成功報酬(手数料)を得るというビジネスモデルでした。乱暴な言い方をすると、単に売買または賃貸の物件情報を流通させることが基本ビジネスモデル。もちろん、そこには物件の目利きや安全な取引のサポートするという役割もありますが、最終的には契約当事者である消費者の責任であり、不動産会社は取引の際の説明義務はあるものの結果に対して担保しないのが通例です。情報化が進展していくと、単に情報を流通させる基本ビジネスモデルより、より高度な物件情報の提供と公正かつ安全な取引を実現していく為のクオリティの高い知識サービス提供が不動産流通ビジネスモデルの基本となってくるものと思われます。

シフトする顧客接点

一般消費者にとって不動産会社というのはなんとなく不透明感があります。一方で、高額な不動産の取引だけに専門家である不動産会社に頼らざるを得ないという現実的な問題もあります。新築マンションや大規模分譲物件の取引などの物件取引は価格や物件情報も公表され、それなりに透明感があります。しかし、中古不動産の流通物件の取引は個別取引ゆえ、その取引の実態は両方の当事者が公開しない限り、成約した取引価格は当事者以外は知ることはできません。消費者に不安や迷いが生じるのも無理の無い話です。